ビットコインマイニングは現在のゴールドラッシュである
エドワード・カストロノヴァによれば、通貨というものは価値保存がしやすい、持ち運びがしやすい、腐らないなどの特徴を持っているものに宿りやすい性質がある。
例えば金などの重金属が通貨になることが多いが、金に価値があることの本質的な意味はない。ただ人を引き付ける力が宿っていると多くの人が感じるため価値がある。
これは、「かわいい」という言葉と似ている。例えば猫はかわいいが、猫には無邪気であり、予想がつかない行動、もふもふとした感触などがあり、そこにかわいいという性質が宿っている。犬、ぬいぐるみなどかわいいが宿りやすいものは数多くあり、個人の感覚によってかわいいが宿る。
通貨も実は同じである。
現在は国が承認した紙幣が主に通貨として認められているが、紙幣には本質的な価値は存在しない。価値保存がしやすく、簡単に持ち運べるなどの特徴を通じて国が人を引き付ける魔力を宿したものである。
ビットコインなどのヴァーチャルカレンシーは、金に似せて作られている。
プログラムであり、希少性があり、持ち運びがしやすく、腐ることはない。サトシ・ナカモトがプログラムに通貨を宿らせるべく考えたアイディアである。
通貨というのは16世紀には乱立していた。21世紀の現代ではキーカレンシーがドルであるが、今後は分散化していくのではないだろうか。
ビットコインの今後を考えると、金の価格が参考になるのではないだろうか。
SPDR Gold Trust (ETF)
金は超長期で見れば右肩上がりである。短期で見ると変動が激しい。では金鉱株はどうか?VanEck Vectors Gold Miners ETFのチャートである。
金は2013年から2018年にかけて約25%減少しているが、金鉱株は約40%減少している。このことからマイニングは価値減少局面では壊滅的な打撃を受けかねない。
現在のマイニングは、例えるならゴールドラッシュである。
夢を見てマイニングに参入してくるが、多くは敗れ去る。
ゴールドラッシュ時代に最も儲かったのはつるはしを売った会社と、作業者のジーンズを売った会社だという。
では、マイニングにおいてつるはしを作った会社はどこか?
エヌビディア、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ、インテル、マイクロン・テクノロジーなどのGPUや半導体会社である。
ビットコインなどのヴァーチャルカレンシーが普及すると思う人は(私もそうだが)これらの銘柄を買うべきだ。